羽生名人がようやく一勝を挙げたが、やはり調子は良くないようだ。
矢倉の定石系から▲名人が穴熊に移行した形は絶対に負けたくないという
強い意志が感じ取れたが、挑戦者の森内が中盤連続で指した温い手を、
首尾よく咎められなかったことに羽生の不調が見てとれた。
森内の△82手目の2六銀と、香車取りに指した△84手目の1七歩。
結局この香取りが残ったまま終局を迎えたのだが、
こんな緩手があったにもかかわらず、
勝利まで133手という長手数になってしまったのは、
明らかに好調時の羽生ではないと言って良い。
尤も終版、森内の112手目の3三飛車が受けの妙手で
これが、対局を長引かせたのではあるが、羽生の寄せも
いまひとつであったのも否めない。
第五局は5月31日(火)、6月1日(水)、宝塚市で。
羽生名人は後手。横歩取り8五飛か、角替わりか、
いずれにせよ最新形の魅せる将棋で二勝目を挙げてもらいたいものだ。
セコメントをする