フランス料理の正統派を謳うだけに、立食でありながら
前菜、メイン、スイーツと、美目麗しい華やかな料理が並んだ。
特にスイーツは、10数種類はあったであろうか、
皆、目を輝かせ、味わったのであった。
途中、弓田校長の歌も披露された。
「枯葉」と「NANTES」(ナントゥ)の2曲をフランス語で歌ったのだが、
バルバラの作詞作曲によるNANTESは感慨深かった。
2曲ともに原語歌詞とその邦訳が配布され、NANTESは弓田校長自らの
訳詞というのも魅せどころである。
NANTESはフランス西部に位置する町で、一度、仕事で行ったことがある。
日本の自動車メーカーの工場を取材したのだが、
粉雪の舞い散る厳冬、太陽は一日中顔を出さず、絶えず震えていたことが思い出される。
フランス人と交わす拙い英語での会話。双方ともに伝えたいことがきちんと伝わらない
もどかしさがあり、思わず膝小僧を抱え、空を見上げてしまう、そんな光景が浮かび上がる。
哀愁を誘うシャンソン調のメロディーが、私の記憶を瞬時に呼び起こしたのであった。
“とおるちゃん”=弓田亨校長の出だしの訳詞を見みてみると、
Il pleut sur Nantes
ナントゥに私の心を刺す雨が降るわ
イル・プルー・シュル・ナントゥは、
直訳ではナントゥに雨が降る、で、
“とおるちゃん”は、“私の心を刺す”雨、と少なからず感情を入れて訳している。
この出だしの歌詞は、
IL PLEUT SUR LA SEINE(イル・プルー・シュル・ラ・セーヌ)を
思いこさせ、非常に思い入れのある歌であろうということは想像に難くない。
いつか、その思いを直接聞いてみたいものである。
参加者は例年、180名前後だそうだが、今年は100人程度とのこと。
あの3.11の日に教室に泊った生徒の話も披露され、
今年は卒業生、先生方双方にとって思い出深い年になったのであった。
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