イル・プルー(10)
第10回(最終回)
「フランボワーズのケーキ」
最終回のこの日、地震や計画停電の影響があったのであろう、
受講者は通常の20人余から9人と激減。
各々があの日の自分を思い出しながら語る。
最終回なので講師は弓田校長。
イル・プルーでは、ちょうど講義の真っ最中、
帰れない生徒が出て、講師と共に教室で一夜を明かしたそうだ。
自分は、三軒茶屋のキャロットタワーの中にいた。
三茶は20数年通っている美容院があり、午後3時の予約には
少し早く時間をつぶしていた。
1階でありながら相当の揺れを感じ、すぐに表に出ると、
近くの交番に大勢の人が集まっていた。
近くのカラオケ屋ビルの入口上部が倒壊、コンクリートが散乱しているのを
見たとき、かなり大きな地震であったことを実感した。
その日は下北沢を経由して、歩いて帰宅。幸い、1時間余で到着できる距離であった。
美容院に勤める友人を車で送った後、
帰宅難民となっている細君を迎えに行ったのだが、都心は大渋滞。
永福町あたりから抜け道を通って、新宿に出るのに2時間弱。
携帯は通じず、何とかメールで細君と待ち合わせ場所を
市ヶ谷と決め、ようやくたどりつく。
そこから我が家まで3時間近くかかったのであった。
被災者の方々にはお見舞いを申し上げるとともに、
一早い復興をお祈り申し上げる次第である。
さて、フランボワーズケーキ。
イル・プルー流の特徴は以下の通り。
・底と中間の二層のアーモンド生地をフランボワーズのババロアが包み込むような構成
・ババロアにはたっぷりのリキュール(フランボワーズリキュールとホワイトラム)が
入る。
まずは、焼きあがったスポンジ生地を1cm厚さで2枚取るのだが、
相変わらず平行に切ることができなかった。
ババロアは、卵黄にフランボワーズのピューレを加え、4-5分かけて80℃まで
加熱するのがポイント。
写真はお手本のもの。
味はかなり酸味が立っている。リキュールの香りも強い。
舌触りもかなり滑らかで上品に仕上がっている。
メニューに取り入れたい一品だが、日持ちがしないので、
週末限定にするなど、工夫が必要であろう。
この日は、修了証の授与式もあった。
修了証はカラー印刷で、デザインも良く、かなり立派なので驚いた。
持ちかえり用の筒まで配られ、イル・プルーのていねいな考え方が
セコメントをする